書跡名品の旅

臨書の記録と創作の備忘録

#003【禮器碑】粋な波磔芸


禮器碑(れいきのひ)

孔子廟器表、韓明府孔子廟碑、魯相韓勅造孔廟礼器碑、韓明府叔節修孔廟礼器とも称される。隷書(八分)。後漢、永寿二年(156年)。山東省曲阜孔子廟の漢碑の中でも最も完全に保存され、乙瑛碑、史晨碑と共に白眉といわれている。魯相であった韓勅が造立したもので、この碑の書は、最も形が整い、やや細い線を基調とし、峻傑で高雅、理知と流麗とを合せ、気品をたたえている。碑額はなく、碑陽(表)、碑陰(裏)、碑側(側面)に刻字がある。清人、王澍の「虚舟題跋」で、この碑の妙を激賞している。(日本習字普及協会『明解書道史』加藤達成・小名木康佑共著より)

臨書↓
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創作↓
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まとめ
・歌舞伎役者の見得のように、揺らぐ長い横線。粋が尽くされている!
・バランスボールに乗っているような字形のとり方。太細のメリハリ、多彩な線は「センス!」の一言。玄人向けの隷書な気がする…
・木簡のような強引な太い波磔が筆を傷めつける。いつの間にかそんなクセの強い波磔のトリコ。
・入筆は露峰も多め、筆勢を感じる。
・「口」は篆書的な書き方のものあり。
・「点を打つか打たないか問題」でドツボにハマる字調べ…
・碑陰、碑側は別の人が書いたのでは?というくらい雰囲気が違った。碑側はそのまま創作として使えそうな素材!
・近しい字形は張景造土牛碑(159)
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・西普の皇帝三臨辟雍碑(278)の字形も参考にした。
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長かった…頑張った…
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